選手会の団体交渉について

新規参入の話はさておいて、団体交渉において球団経営(NPB)側が「来季の参入は可能」とし、「(加盟申請企業を)審査してOKなら、来季からの参入が可能」と立場を軟化させた模様。(下記引用参照)

誰でもわかる話ですが、逆に言えば「審査で要件をクリアできなければ新規参入は認めませんよ」ということ。状況を見ながら、審査でけちをつけて参入妨害をできるよう、切り札を残すやり方ですね。
状況によっては、認めることも可能なように、少し歩み寄ってはいるのでしょうけど。。。

<現状で思いつく疑問点>

  • 審査の条件は公開されているのか?
  • 審査団体は公平かつ、すぐに動けるのか?
  • 審査活動に当たって、審査の前後で新球団(仮)の準備に十分な時間を与えてくれるのか?(未完成とか、再準備が必要になるなどの状況でも、許容されるのか)
  • 団体交渉をのらりくらりとのばすことで、新規参入のための準備時間をけずる等、NPB側に策略はないか?
  • ドラフトや、球界再編にあたっての選手数調整の場などで、新規参入球団への不利な扱いがでないか?

<考えられるシナリオ>
1)NPBから来年新規参入の許容方針が正式決定し、新規参入申請していたライブドア楽天の2社が正式審査される。
 1ー1)審査はされるが、両者とも条件を満たさないため却下。近鉄選手の半分は路頭に迷い、一部アルバイトを始める選手やハローワークに通う選手が出てきて、TVの特集などで取り上げられ一時的に話題になる。一部の選手は裁判で近鉄を訴え雇用保障と収入補償を求めるが数年後結果的に敗訴。殆どの選手は2ヶ月程度の収入補償をもらうことでしぶしぶ和解。翌年の新規参入球団への入団を目指し、有志で自主トレーニングを続ける。

 1−2)どちらか1社のみ審査が通るものの、残された準備期間が全く足らず、新しい選手獲得にも、新球団の運営スタッフ準備もうまくいかず、結局来年のペナントレースは断念。マスコミによって、NPB関係者の参入妨害に対する非難と、新球団の責任能力・運営能力を問う非難が当面続くことに。

 1−3)どちらか1社のみ審査が通り、見事来年度ペナントレースへ参加。オープンゲームでは、メンバーが日替わり状態。スタッフも経験・ノウハウ不足で運営に不備がでる。他球団の元スタッフなどを獲得にまわるが、圧力がかかっておりなかなか協力を得られず、全てに不安を抱えたまま、開幕へ。
近鉄合併にあたりふるい落とされた選手達の能力は低く、成績が低迷。当初は話題性を集め、期待されてた来場者数も、7月を目前に低迷し始める。(パリーグ参入のため、放映権関係の収入も限定的に)
夏〜秋には、ダメダメムードでペナントレースを終える。マスコミには大バッシングを受け、新球団の準備不足・経営力のなさを叩かれる。
 (・・・2〜3年頑張るも成績・経営面とも思わしくなく、撤退。もしくは、翌年には奮起して選手獲得・改革に着手し、大成功を遂げるか。)

 1−4)どちらか1社のみ審査が通り、見事来年度ペナントレースへ参加。人員はヘッドハンティングプロ野球関係・経験者を引っ張ってくる。運営や球団経営的にも様々な歴史的慣習にぶつかり、その度に球界へ波紋を投げかけることに。なんとか試合の運営自体は無難にこなしながらも、選手達は奮起し、来場者数もうなぎ登り。あと少しで優勝が見えそうなところまで来たが、結果的にパリーグ成績2〜3位で終了。来期へつなげる。プロ野球界の異端児・改革推進派として、野球界の改善に大きく貢献。


2)一転して、NPBが来年度新規参入を拒否。
 2−1)選手会側はストを決行するも、有効な対抗手段とならず、NPB側に押し切られ、新規参入は再来年度からになってしまう。

 2−2)選手会側はストを決行するも、年俸交渉を控えて政治的圧力に屈する選手が続出し、スト中止へ追い込まれる。以降、選手会側の発言・交渉力は没落してしまい、球界再編に当たっての諸条件が悪くなってしまう。


プロ野球、25・26日のスト回避へ 新規参入歩み寄り
 球界再編を巡る日本プロ野球組織(NPB=日本野球機構)と労働組合日本プロ野球選手会古田敦也会長=ヤクルト)の団体交渉にあたる協議・交渉委員会が22日、名古屋市内のホテルであり、争点となっていた新規球団の参入時期について、NPB側が「来季の参入は可能」とし、そのための具体案を提示した。結論は23日に持ち越されたが、選手会もNPB案に理解を示しており、25、26日に設定されているストライキは回避される可能性が高まった。

 これまで「新規参入球団を加え、来季の12球団維持」という選手会の主張に対し「来季参入は時間的に難しい」との姿勢だったNPB側が、この日は「(加盟申請企業を)審査してOKなら、来季からの参入が可能」と軟化した。審査の公平性を保つために(1)第三者を含めた審査機関の早期立ち上げ(2)審議過程の一部公開、なども提案した。

 これらの提案を受け、合意事項の中に「来季参入に向け最大限努力する」との文言を盛り込むよう強く求めていた選手会も「文言にはこだわらない」と譲歩した。古田会長は「先週に比べて、具体的な案が提示された。(球団を)無理やり減らすつもりはないとも言われた。信用していいのではないか」と話した。

 合併に伴って他球団に移ることになる近鉄の選手らに、移籍の一部自由を認めるよう、選手会が求めている点についても、NPBは前向きな妥協案を提出した模様だ。
http://www.asahi.com/special/baseballteam/TKY200409220343.html